「鉄道オタク=社会不適合者」は時代遅れ? “少子化ショック”の大学を救う、尖った知性の経済価値とは【連載】純粋鉄オタ性批判(5)
鉄道オタク増加の入試戦略

文部科学省の試算によると、2040年度の大学進学者数は2017年度から12万4000人減り、50万6000人になる見込みだ。大学の定員が現状のままなら、東北を中心に入学定員充足率が60%台となる地域が増え、地方都市の大学は厳しい経営環境が続く。
最近では女子大学や短期大学の閉校が相次ぎ、メディアでも報じられている。大学側は生き残りをかけて必死の対応を迫られている。多くの学生を確保し、定員割れを避けたいのが本音である。
そのため、学力が一定程度必要な大学入学共通テストや冬季の一般入試を避け、推薦系の入試に注力する傾向が強まっている。1990年代以降、
・一芸一能入試
・AO入試(現・総合型選抜)
が台頭した。AO入試は「Admissions Office Examination」の略で、米国の大学で導入された。成績だけでなく、人物像や興味、才能、将来の活躍可能性を多面的に評価する方式だ。エッセイや推薦状、ポートフォリオも重要な評価材料となる。
日本では当初、慶應義塾大学などが採用し一定の機能を果たしていた。しかし少子化の影響もあり、多くの大学が経営改善の手段としてAO入試を乱用した。結果、
「学力重視の入試を避けるバイパス」
となってしまった。この流れは高校にも波及し、AOに近い推薦型入試が増加している。大学教員の話では、推薦系入試で
「鉄道趣味をアピールする若者」
が増えているという。
・撮り鉄としてのコンクール入賞
・全国高等学校鉄道模型コンテストでの受賞
・鉄道趣味でのメディア出演
などが武器になる。高校の課題研究や総合学習の成果として、受賞やメディア経験を持つ学生も多い。
さらに、ウェブサイト運営やプレゼンテーション能力といったコミュニケーション力を強調する若者も増加中だ。鉄道オタクの自己アピールが強まっており、なかには飛行機やバスの趣味を活かす学生もいるという。