世界4位へ躍進 今治造船×JMU統合で挑む「日本造船」復権──高付加価値と脱炭素で中韓を逆転できるか?

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中国・韓国に押されてきた日本造船業が、今治造船によるJMU子会社化で再起を図る。年間建造量は500万総トン超、国内シェアは5割に達し、世界4位の規模へ。高品質・高効率を武器に、再びグローバル競争の舞台に挑む――再編の先に問われるのは、持続可能な成長モデルの実現だ。

日本モデル再評価の兆し

今治造船本社の位置(画像:OpenStreetMap)
今治造船本社の位置(画像:OpenStreetMap)

 今治造船によるJMUの子会社化は、日本の造船業にとって再生の起爆剤となる一手だ。「日本モデル」と呼ばれる高品質・高信頼の造船技術が、再び世界の舞台で評価される可能性を帯びている。

 今回の統合で、国内シェアは大きく拡大し、世界でも第4位の地位へと浮上する見通しだ。技術力、建造規模、そして受注力の三拍子が揃う体制が整いつつある。

 だが、規模の追求で終わるなら、この再編は本質的な変革にはつながらない。カギとなるのは、

・低炭素化
・高付加価値化

への確かな取り組みだ。環境規制の強化が進むなかで、持続可能な技術革新をどれだけ具体化できるかが、次の競争軸となる。

 今後の成果と行動次第で、日本の造船業は再び世界の主役としての存在感を取り戻すことができる。その意味で今回の子会社化は、企業統合を超えた「構造転換」の起点といえる。

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