コンパクトカーなのに「全然コンパクトじゃない問題」 定義が崩壊? 3ナンバー車も名乗る現状を考える
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「コンパクトカー=小さい」はもはや通用しない。全長4.3メートル超の“3ナンバー・コンパクト”が市場を席巻する中、ヤリス16万台超など販売上位は依然「コンパクト」勢。便利さとブランド戦略の間で揺れる言葉の実態に迫る。
「コンパクト」の正体

現在、コンパクトカーという言葉が実態と乖離したラベリングにとどまっている側面がある。規格としての明確な定義がないまま、車格や価格、サイズ感と取り回しの印象がバラバラになっている。
実際には、スズキ「ソリオ」やトヨタ「ルーミー」のように、都市部での使い勝手に優れた“本来のコンパクト”も存在する。一方で、3ナンバーサイズの車両がコンパクトを名乗るケースも増えており、用語そのものが混乱を招きかねない状況だ。
このズレを放置すれば、ラベルと実態の食い違いがブランドへの信頼性を損なう要因にもなり得る。マーケティング上の呼称としてコンパクトカーで括るのではなく、より大柄なモデルについては、新たなカテゴリー名や表現を検討すべき段階に来ている。
消費者の実感と分類が一致しなければ、市場全体の選択基準も曖昧になる。いまこそ、感覚に即した再整理が求められている。