東京「テレポート」なのに“瞬間移動”できない!? お台場の「まぎらわしい駅名問題」改称すべき?
お台場は東京の最先端を象徴する副都心だが、駅名の紛らわしさが訪問者の利便性を妨げている。青海駅と青梅駅の読み間違い、東京テレポート駅の意味不明な名称、国際展示場駅と東京ビッグサイト駅の乗換え不便など、複雑な事情が絡む。駅名改称にはJR東日本で約3億6000万円の莫大な費用がかかり、容易に実現できないのが現状だ。さらに、お台場・青海地区には東京ドーム4個分の未利用地や41%の空室率を抱えるオフィスビルが存在し、まちづくりの再考が急務となっている。2025年のトヨタアリーナ東京開業を控え、駅名見直しも含めた抜本的な対応が求められている。
費用負担が招く混乱継続リスク

わかりにくい駅名が多い理由のひとつに、駅名改称にかかる費用の問題がある。駅名を変えるには、駅看板の文字だけでなく、切符発券や車内放送などシステム全体の変更が必要で、莫大な費用がかかる。
JR東日本の場合、その費用は約3億6000万円にも及ぶ。首都圏の鉄道会社であっても簡単に出せる額ではなく、改称に踏み切れないのも当然だろう。
実際、東洋経済オンラインの2018年8月の記事「なぜ今?「ゆりかもめ」が駅名を変える不思議」では、りんかい線を運営する東京臨海高速鉄道に国際展示場駅の改名について聞いた内容が掲載されている。それによると
「東京ビッグサイトの方が分かりやすいという声は承知しているが、駅名を変更する費用が膨大で、施策の優先順位は低い」
との回答だった。りんかい線の東京テレポート駅や国際展示場駅の改称は、現状では難しいといえるだろう。
ゆりかもめでは何度か駅名改称が行われているが、青海駅は駅周辺の地名であることもあり変更が難しいと指摘されている。この記事を書いた杉山淳一氏も株式会社ゆりかもめに確認した際、同様の見解が示されている。
ただし蛇足だが、杉山氏は個人的な意見として「ヴィーナスフォート前」に改称すべきだと提案していた(当時ヴィーナスフォートは営業中だった)。筆者(宮田直太郎、フリーライター)としても、2025年のトヨタアリーナ東京開業を踏まえ、
・トヨタアリーナ前
・お台場青海
などへの改称が望ましいと考えている。