東京「テレポート」なのに“瞬間移動”できない!? お台場の「まぎらわしい駅名問題」改称すべき?
お台場は東京の最先端を象徴する副都心だが、駅名の紛らわしさが訪問者の利便性を妨げている。青海駅と青梅駅の読み間違い、東京テレポート駅の意味不明な名称、国際展示場駅と東京ビッグサイト駅の乗換え不便など、複雑な事情が絡む。駅名改称にはJR東日本で約3億6000万円の莫大な費用がかかり、容易に実現できないのが現状だ。さらに、お台場・青海地区には東京ドーム4個分の未利用地や41%の空室率を抱えるオフィスビルが存在し、まちづくりの再考が急務となっている。2025年のトヨタアリーナ東京開業を控え、駅名見直しも含めた抜本的な対応が求められている。
二駅目:東京テレポート駅

続いて紛らわしいのは、りんかい線の東京テレポート駅である。青海駅から歩いて約5分の距離にあり、りんかい線を使う場合のフジテレビ本社の最寄り駅としても知られている。
しかし駅名の「テレポート」という言葉に対し、何の意味か首をかしげる人は多いだろう。英語のTeleportは
「瞬間移動」
を意味するが、「東京テレポート」の「テレポート」は別の意味を持つ。「情報通信基地の機能を備えた都市」という意味で説明されているのだ。この駅周辺は1988(昭和63)年、副都心の名称として「東京テレポートタウン」と名付けられた。テレビ会議やケーブルテレビなど、当時の最新情報システムを備えたオフィス都市の整備計画があった。
しかしバブル崩壊により計画は頓挫し、1990年代末には完全に消えたコンセプトとなった。現在の東京テレポート駅周辺は最先端企業のオフィスではなく、ダイバーシティ東京など観光地が多く立ち並んでいる。
かつての構想の名残として名前が残るだけで、実態とかけ離れた存在だ。そのため、「東京瞬間移動駅」というよくわからない名前と思われてしまっているといえるだろう。