熊本バス改革“最大の犠牲者”は「10代」か? 9.7%にとどまるクレカ決済、ICカード廃止が生む移動格差の実態とは
全国交通系ICカードの取り扱いを中止した熊本県の交通5社。代替として導入されたタッチ決済型クレカの利用率はわずか9.7%にとどまる。影響を大きく受けたのは、高齢者ではなく10代の学生だった。制度設計の盲点が、移動の自由を奪っている。
学生に広がらぬキャッシュレス決済の現状

国土交通省主導の完全キャッシュレスバス実証運行では、「どのキャッシュレス決済サービスを導入するか」に特別な制約は設けられていなかった。決済サービスの選択は各事業者に委ねられている。
全国交通系ICカードも選択肢に含まれており、SuicaやPASMOはクレジットカードのような審査が不要で、小児用カードも用意されている。しかし、それでも10代以下の若年層にとってキャッシュレス決済は
「自分には縁遠い決済手段」
のままである。
次に、設問の結果を職業別に見ると、回答者で最も多かったのは会社員の702人で、66.4%が「導入を進めてほしい」と回答し、12.7%が反対した。一方、学生168人のうち「導入を進めてほしい」は60.1%にとどまり、「導入を進めてほしくない」は23.2%に上った。全職業のなかで、学生が最も完全キャッシュレスバスに否定的な傾向を示した。