ショッピングモールの「無料バス」が地域を動かす? 集客だけじゃない「地域活性化」の実像、路線バス空白を乗り越えられるか

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自家用車依存からの転換が進むなか、郊外型ショッピングモールの無料バスが新たな地域交通の選択肢として注目されている。高齢者や学生層の来店を後押しし、年間数万円規模の運行コストを抱えつつも、地域貢献と集客効果の両立を模索する現場の実情に迫る。

無料バスの現状と利用実態

2023年の運行開始以来、高い評価を受けている「有明ガーデン 無料巡回バス」(画像:住友不動産商業マネジメント)
2023年の運行開始以来、高い評価を受けている「有明ガーデン 無料巡回バス」(画像:住友不動産商業マネジメント)

 郊外型ショッピングモールは、自動車での来店を前提としているケースが多い。だが近年は、車を持たない高齢者や学生、公共交通の利用者を対象に、「無料バス」の運行が広がっている。栃木県宇都宮市の「FKDショッピングモール宇都宮インターパーク店」では、JR宇都宮駅からおよそ1時間おきに無料シャトルバスが出ている。所要時間は約30分だ。

 環境省が実施したアンケート調査では、このバスについて「知っているが利用したことがない」と答えた人が62%を占めた。「知らない」は28%、「知っていて利用したことがある」は約10%だった。

 無料シャトルバスは、モールにとって新たな顧客を取り込み、来店頻度を上げる施策として有効だ。実際に全国各地で導入事例が増えている。背景には、中心市街地の衰退や地域の高齢化、公共交通の利便性の低下といった社会的課題がある。こうしたなかで、モール側は新たな顧客の獲得と、地域への貢献を両立しようとしている。

 本稿では、郊外型ショッピングモールにおける無料シャトルバスの現状と課題、そして今後の進化の可能性について詳しく見ていく。

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