7月5日の大災害デマ、責任の所在は「誰」にあるのか?──SNSと動画が潰した、地方国際線の経済構造

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SNS発“予言”が地方空港を直撃。アクセス数が億単位に達した誤情報の拡散で、訪日路線が相次ぎ運休へ。損なわれたのは航空便ではなく、「移動の意味」そのものだった。

異文化信頼が左右する観光動態

インバウンド(画像:写真AC)
インバウンド(画像:写真AC)

 観光の動向を見ると、単に正しい情報を提供すれば信頼されるという従来の広報方法には限界がある。とくに香港など東アジア地域では、風水や予言などの文化的要素への信頼が強い。公式発表の論理性よりも、

「感情的な納得」

が行動を左右している。日本側の情報発信は、こうした異文化の感受性に十分対応できていなかった。

 運休となった米子・徳島便はいずれも、訪日外国人宿泊数が全国で下位に位置する地方空港の貴重な国際線だ。観光庁が掲げる地方誘客の柱としてようやく成長を始めた路線が、数か月の予約減少で運休となったことは、航空・観光インフラの脆弱性を浮き彫りにした。コロナ禍以降、搭乗率50%以下の国際線は継続が難しくなり、一時的な需要減でも撤退が容易に決まる構造が存在する。

 さらに今回の事例は、移動や旅行の意思決定が価格や便数などの物理的条件だけでなく、「行ってもよい」という感情的な正当化にも大きく左右されていることを示した。人々は天気予報や災害リスクを冷静に分析して判断しているのではなく、他者の意見や行動を通じて移動の意味を再解釈する。ここには

「意味の経済」

と呼ばれる概念が存在し、今回の“予言”が移動の意味づけを崩壊させたのだ。

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