7月5日の大災害デマ、責任の所在は「誰」にあるのか?──SNSと動画が潰した、地方国際線の経済構造

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SNS発“予言”が地方空港を直撃。アクセス数が億単位に達した誤情報の拡散で、訪日路線が相次ぎ運休へ。損なわれたのは航空便ではなく、「移動の意味」そのものだった。

SNSアルゴリズムの罠

SNSとデマ(画像:写真AC)
SNSとデマ(画像:写真AC)

 震源となったのは、「2025年7月に災害が起きる」という漫画作品と、その二次的な情報拡散である。創作自体は表現の自由の範囲内だ。しかし、それを刺激的な動画に編集し、サムネイルとともに拡散したYouTube投稿者は、閲覧数を収入に換える仕組みで広告収入を得ていた。情報の信頼性よりも演出の面白さが収益の源泉となるこの仕組みは、誤情報の再生を経済的に正当化している。

 また、SNSの表示アルゴリズムは話題性のあるコンテンツを優先的に表示する仕様だ。誤情報が「自然に広まった」のではなく、技術的・制度的に

「広がりやすく設計されていた」

ことが重要である。今回の拡散は偶然ではなく、利益構造に基づく必然的な結果といえる。

 気象庁や観光庁などの公的機関は、科学的に災害予知は不可能であり、この情報はデマであると繰り返し発信した。しかし、誤情報のアクセス数は億単位に達し、正確な情報は相対的に目立たず、ネット空間の膨大な情報量に埋もれてしまった。従来の一方向的な広報は、変化した情報環境に対応できていなかったことが明らかとなった。

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