「EV失速」は本当? 世界28%増の陰で日本が「その他」扱いとなる根本理由――見過ごされた「CAFE規制」の決定的弱点

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2024年以降、日本のEV市場は「失速」と報じられるが、世界全体では前年比24%増の成長が続く。日本は緩やかな燃費基準でEV普及が遅れ、輸入車が8割を占める。国際競争力維持には制度改革とインセンティブ強化が急務だ。

米デトロイト三社のEV戦略

2025年6月25日発表。主要メーカーの電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売台数推移(画像:マークラインズ)
2025年6月25日発表。主要メーカーの電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売台数推移(画像:マークラインズ)

 欧州委員会は2035年までに、小型商用車を含む全ての新車をゼロエミッション車にする目標を堅持している。2025年1月から規制は厳格化され、2021年基準に比べ15%低いCAFE水準に抑制しなければならない。現時点でこの目標をクリアしているのはテスラとボルボ・カーの2社のみであり、日本メーカーを含む大半の自動車メーカーは規制値に達していない。

 米国ではトランプ政権の政策にかかわらず、デトロイトスリーが燃費規制強化を前提にEVシフトを加速する戦略を打ち出している。

 一方、政策による圧力が欠ける日本では、EV市場の規模も価格競争力も育っておらず、負のサイクルに陥っている。このままでは、世界的にEVが成長分野へ移行する潮流から日本だけが脱落し、日本メーカーが排除される可能性が高まる。

 いまこそ、EV市場動向を冷静に見直すべきである。「EVは売れない」と拙速に断じるだけではなく、制度設計の再点検と戦略的な再構築が求められている。

 日本がEV市場で国際競争力を維持するためには、企業と消費者双方へのインセンティブ構築が最優先の課題となるだろう。

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