「EV失速」は本当? 世界28%増の陰で日本が「その他」扱いとなる根本理由――見過ごされた「CAFE規制」の決定的弱点

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2024年以降、日本のEV市場は「失速」と報じられるが、世界全体では前年比24%増の成長が続く。日本は緩やかな燃費基準でEV普及が遅れ、輸入車が8割を占める。国際競争力維持には制度改革とインセンティブ強化が急務だ。

1~5月の累計販売・720万台

月間EV販売台数(BEVおよびPHV)(画像:RHO MOTION)
月間EV販売台数(BEVおよびPHV)(画像:RHO MOTION)

 2025年7月時点でも、EV失速を強調する切り取り報道が続いている。たとえば、BYDの2025年6月の新車販売台数は、前年同月比で12%増の38万2585台だった。にもかかわらず、日本経済新聞は同年7月1日、「BYDの新車販売は、2024年3月から前年同月比で2割超の増加率を保ってきたが、2025年5月は15%増にとどまり、6月も伸びが鈍化」と報じた。

 テスラについても、2025年4~6月期のEV販売が、1~3月期に続き2四半期連続で10%超の減少となったことが各メディアで一斉に取り上げられた。

 一方で、世界のEV市場は堅調に推移している。英調査会社RHO MOTIONによると、2025年5月のEVおよびプラグインハイブリッド車(PHV)の世界販売台数は約160万台で、前年同月比24%増。2025年1~5月の累計販売は約720万台、前年比で28%増加している。市場全体としては依然として成長基調にあることが、数字からも明らかだ。

 地域別に見ると、中国が世界のEV販売の約6割を占める。欧州が2割、北米が1割、その他地域が1割という構成だ。2025年1~5月の前年同期比では、中国が33%増と最も高く、欧州が27%増、北米は3%増にとどまった。欧州と北米はいずれもグローバル平均の28%を下回っている。一方、中国は市場全体を牽引しており、地域間の成長格差が顕著になっている。日本のEV販売台数はきわめて少なく、統計上は

「その他」

扱いにとどまる。この地域差の背景には、各国のCO2排出規制や燃費基準など、制度面の違いがある。とりわけ、強制力をともなう規制を導入している国ほど、EV市場の成長と明確な相関が見られる傾向にある。

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