北陸新幹線延伸「京都人が納得できるのか」 吉村大阪府知事が今ごろ「米原ルート」を匂わせるワケ 工費3.9兆円、維新が狙う京都議席の勝算
「比較検討なしに納得を得られない」

日本維新の会代表の吉村洋文大阪府知事が、参議院議員選挙京都選挙区で北陸新幹線大阪延伸の再検討を公約に掲げる方針を示した。選挙結果にどんな影響を与えるのだろうか。
「小浜・京都ルートは費用も工期も2倍に膨れた。他のルートも比較検討すべきでないか。(参院選京都選挙区で)独自の争点になる」
京都市下京区のホテルで6月下旬にあった京都維新の会の時局講演会。日本維新の会代表の吉村知事は7月3日公示の参院選京都選挙区で小浜・京都ルート以外も再検討することを公約に掲げる方針を明らかにした。
北陸新幹線の大阪延伸は福井県敦賀市から同県小浜市を経由して京都府を南下する小浜・京都ルートで整備すると決まっている。工費は従来の2.1兆円が3.4~3.9兆円、工期は15年が25~26年に膨れる見通し。吉村知事はルート決定時の前提に大きな変化があったと受け止めている。
しかも、深さ40m以上の大深度トンネルで京都市内を抜けることに地下水への影響などを懸念する声が高まり、仏教界や経済界を巻き込んだ反対運動が起きている。京都府市は政府・与党に懸念解消を求め、京都市議会は6月上旬、大深度トンネルに反対する決議案を可決した。吉村知事は
「大阪府として小浜・京都ルートを否定するわけでないが、比較検討しないで京都の人たちが納得できるのか。賛否両論がある問題の判断を有権者に委ねるのも選挙の役割だ」
と述べ、敦賀市から滋賀県米原市を結ぶ米原ルートなど他ルートの検討を参院選京都選挙区で問う考えを示した。
北陸新幹線延伸は京都市内の駅候補に京都駅(下京区)、桂川駅(南区)が残るが、京都府市の懸念表明で袋小路に迷い込んでいる。福井県や富山県、滋賀県が小浜・京都ルートを支持する一方、石川県では県議会や金沢経済同友会、一部地方自治体が早期の全線開業に向けて米原ルートを推す。
馳浩石川県知事は小浜・京都ルート支持から次第に発言のトーンを変えてきた。6月県議会では
「京都府などが求める懸念解消のめどを年内に立ててほしい。めどが立たないと判断したなら、米原ルートも含めた一日も早い全線開通を検討していただきたい」
と政府・与党にくぎを刺した。