自動車の「脱出用ハンマー」が標準装備されない根本理由――水没時で命を救えるのに、なぜ?

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近年、台風や豪雨による車内水没事故が増加し、命を守る緊急脱出用ハンマーの重要性が浮き彫りとなった。だが国内の自動車では標準装備例が少なく、国交省も普及促進に動く。合わせガラスの採用率は主要メーカーで最大23%に達し、脱出の壁となる一方、保管場所やコスト、法的リスクも標準装備化を難しくしている。こうした複雑な課題を踏まえ、ユーザーの自主的な備えが求められている。

今後の展望とユーザーへの啓発

脱出用ハンマーの重要性(画像:写真AC)
脱出用ハンマーの重要性(画像:写真AC)

 2020年8月、国土交通省は自動車関連業界に対し、販売時などの機会を活用してユーザーに脱出用ハンマーの搭載を推奨するよう要請した。合わせガラスは割れにくいことや、正しい使用法の周知も求めている。

 また、JISマークやGSマークを取得した信頼性の高い製品の普及や、粗悪品の排除にも取り組んでいる。今後は、より多くのユーザーが自主的に緊急脱出用ハンマーを備えることが期待される。加えて、メーカーや業界団体による規格の見直しや標準装備化の検討も課題となるだろう。

 現状では、緊急脱出用ハンマーの標準装備化には、ガラスの仕様やコスト、保管場所、法的リスクなど多くの壁が存在する。しかし、近年の水害や事故の増加を受けて、ユーザー自身が「自分の車に合った脱出用ハンマーを自主的に備える」ことの重要性はますます高まっている。

 ちなみに、自分の車が合わせガラスを使用しているかは事前に確認しておくべきだ。車種によっては、リアウィンドウや一部のサイドウィンドウが強化ガラスになっている場合もある。もしものときは、合わせガラスより割りやすい強化ガラスからの脱出を勧めたい。

 緊急脱出用ハンマーを常備するかどうかは個人の判断に委ねられるが、いずれにせよ緊急時に備えた対策は何かしら講じておくべきだ。

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