「そりゃ減るわけがない」 トラック「荷待ち・荷役時間」わずか1分減の現実――国交省「いじめっ子放置」政策が生んだ致命的盲点とは
2024年、大きな話題となった「物流の2024年問題」。あれから1年が経ち、さまざまな結果が見えてきた。たとえば、国土交通省の調査によれば、トラックドライバーの荷待ちや荷役の時間は、ほとんど変わっていないという。
輸送力25%創出の幻影

荷待ちとは、トラックが荷物の積み下ろしのために工場や倉庫、物流センターなどで待機させられることを指す。荷役とは、荷物をトラックに積み込んだり、降ろしたりする作業のことだ。
近年はドライバー不足に加え、働き方改革関連法によって長時間労働が規制された。これにより、「運べない荷物が増える」という物流クライシスが懸念されている。物流革新政策とは、このクライシスを回避するために政府が推し進めている施策を指す。
国交省の調査によれば、ドライバーの1回あたりの勤務時間はおよそ12時間。このうち、約3時間を荷待ちと荷役に費やしている(荷待ち1時間28分、荷役1時間34分)。つまり、全体の勤務時間の4分の1は運転以外の作業に取られている計算になる。
政府の推計では、2024年度のトラック輸送リソースは約14%不足すると見込まれている。仮に荷待ち・荷役時間がゼロになれば、25%以上の新たな輸送力を生み出せることになる。それが実現すれば、物流クライシスの多くは解決できるはずだ。もちろん、それは机上の空論だ。荷待ちや荷役を完全にゼロにするのは現実的ではない。しかし、たとえ削減幅が半分だったとしても、相当な改善効果が期待できる。
なぜ、荷待ち・荷役時間は減らなかったのか――。端的にいえば、
「荷主が取り組まなかったから」
である。荷待ちや荷役の時間は、運送会社の努力だけでは減らしようがない。ちなみに、運送会社が主体的に対応できる拘束時間については、46分の短縮が確認されている。
次に、荷待ち時間と荷役時間が削減できなかった理由をそれぞれ考えてみよう。