スズキ「輸入車市場」の覇者へ ベンツを凌駕した「インド製ジムニー」の衝撃ーーその陰で加速する“国産車の空洞化”とその未来
4月の輸入車販売でスズキが首位に躍進──背景にあるのは、前年比約83倍となったインド製「逆輸入車」ジムニーノマドの爆発的ヒットだ。急増する海外生産・国内販売の構図は、雇用・技術・需給構造に揺らぎをもたらし、日本の自動車産業が直面する地殻変動を浮き彫りにしている。
国内5.4万人雇用喪失懸念

インドではスズキやホンダが積極的に事業を展開している。スズキは新たなグジャラート工場の建設に約6000億円を投資。加えて、電気自動車(EV)や車載電池の生産にも1500億円を投じる。2031年までに総額1兆2000億円規模の投資を見込んでいる。
一方、ホンダはインドやアジア圏での拠点強化を進める。ただし、日本国内での新規投資は報じられておらず、既存設備の維持にとどまる見通しだ。
こうした海外展開の加速は、日本国内における新規雇用創出の力を弱めるおそれがある。第一生命経済研究所の試算によれば、トランプ政権による関税発動で国内自動車生産が1割減少した場合、5万4000人分の雇用が失われる可能性がある。
さらに、地方に点在する工場の再編や統廃合が進む可能性も否定できない。この動きは自治体経済に直接影響し、地域経済の毀損につながるリスクがある。