スズキ「輸入車市場」の覇者へ ベンツを凌駕した「インド製ジムニー」の衝撃ーーその陰で加速する“国産車の空洞化”とその未来

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4月の輸入車販売でスズキが首位に躍進──背景にあるのは、前年比約83倍となったインド製「逆輸入車」ジムニーノマドの爆発的ヒットだ。急増する海外生産・国内販売の構図は、雇用・技術・需給構造に揺らぎをもたらし、日本の自動車産業が直面する地殻変動を浮き彫りにしている。

円安追い風に増すコスト優位性

マルチスズキ・グルガオン工場(画像:スズキ)
マルチスズキ・グルガオン工場(画像:スズキ)

 ジムニーノマドは、インドのグルガオンにあるマルチ・スズキ・インディアの工場で生産されている。スズキが同地に進出したのは1982年。インド国営企業マルチ・ウドヨグと四輪車の生産・販売契約を結んだのが始まりだ。以来40年以上、スズキはインド市場での挑戦を続けてきた。

 インドはスズキのグローバル戦略の中核を担う市場である。売上高の約4割を占め、販売台数では世界全体316万台のうち過半数がインド市場による。2025年2月にはカルコダ工場が稼働を開始。さらにグジャラート州の新工場も2028年度中の稼働を目指している。これにより年間生産能力を400万台規模に引き上げ、インド国内でのシェア50%を目標とする。

 スズキはインドの成長市場に対応するだけでなく、グローバル輸出拠点としての機能も強化している。2024年度にはアフリカ、中東、中南米を中心に、インドから約33万台を輸出した。加えて、現地調達比率の向上やサプライチェーンの整備を進める。日本からのエンジニア派遣や技術支援を通じ、インド工場の生産技術の底上げも図っている。

 円安も追い風となっている。インド生産は輸送費や税制面でコスト競争力が高く、日本国内での販売に優位に働いている。今後も円安基調が続けば、国内生産では実現しにくい価格競争力を長期的に維持することが可能になる。

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