「昔の自動車CM」はなぜ消費者の心を掴んだのか? 「ケンメリ」から「タント」まで! データで見る消費行動の変遷とは
高度成長とともに街を駆け抜けた名車たちは、テレビCMを通じて時代の空気を映し出した。視聴率30%超のゴールデンタイムに流れた映像は、年齢も性別も越えて国民に自動車への憧れを刷り込んだ。だが、2020年代のテレビは、企業不祥事と業績不振のニュースばかりだ。かつての熱狂は、どこへ消えたのか――。
「豊かさ」再定義が迫る市場構造

現在も自動車産業は日本の基幹産業であることに変わりはない。ただし、かつての盛況期に比べ、国民の関心は薄れている。
振り返れば、自動車のCMは経済成長とともに歩んできた。時代の豊かさを象徴するイメージを映し出し、若い世代にも強い共感を与えてきた。これは販売面だけでなく、メーカーの創造力も支えていたのだろう。
いま日本は低成長の時代にある。消費の志向も変わり、価値観も大きく揺れ動いている。現在の豊かさは、かつてのように明快ではない。自動車という概念そのものも変わりつつある。
これからの時代、多くの人に響く「新しい豊かさ」の像を描けるかどうか。そこに自動車メーカーの未来が懸かっている。