茨城空港「首都圏第三空港」の夢は消えた?――常磐線アクセス改善で“マイルドな地方空港”へ変身、今後を考える
開港から15年が経ち、茨城空港のポジショニングは大きく変化した。首都圏を背負わないかたちで進む「地方空港化」は、ゆるやかな成長なのか。それとも静かな限界なのか。
貨物333tが語る空港物流の停滞感

多くの地方空港は、中心市街地から離れた場所にある。そのため、十分な広さの無料平面駐車場を併設している。茨城空港では、3600台分の無料駐車場を確保している。搭乗客や送迎客のためのスペースとしては、明らかに過剰ともいえる台数だ。
もっとも、空港に限らず、道の駅や新幹線の新駅でも潤沢な無料駐車場は集客装置として機能している。地方ではクルマが主な移動手段だ。そのため、駐車場ありきの施設設計が、周辺の多様な需要に波及する行動様式を生む。
しかし茨城空港の場合、現時点では空港周辺の商業施設や物流関連の開発を誘発しているとはいいがたい。石岡駅前から空港へ向かう路線バスの車窓を眺めると、市街地を抜けた先は、さすがに無人地帯とはいえないが、まだまだ開発の余地が感じられる。
茨城空港の貨物取扱は、2015年の上海便就航を機に本格化した。衣類や雑貨などの輸入により、2017年には333tを記録した。しかし、2020年以降、上海便の減便や運休により貨物便は一時休止となった。2025年1月に再開されたものの、取扱量は依然として多くはない。空港周辺に物流施設を誘致するには、まず貨物取扱量そのものを増やす必要がある。ただし逆の発想もある。先に物流施設を整備し、
「倉庫が揃っている空港周辺」
という実績をつくる。そうすることで、結果的に貨物取扱量を呼び込むという戦略も考えられる。