茨城空港「首都圏第三空港」の夢は消えた?――常磐線アクセス改善で“マイルドな地方空港”へ変身、今後を考える

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開港から15年が経ち、茨城空港のポジショニングは大きく変化した。首都圏を背負わないかたちで進む「地方空港化」は、ゆるやかな成長なのか。それとも静かな限界なのか。

直通100分の到達困難

空港へのバス乗り場と待合が整備されたJR石岡駅東口(画像:菅原康晴)
空港へのバス乗り場と待合が整備されたJR石岡駅東口(画像:菅原康晴)

 定期便ゼロという状態から始まった茨城空港は、その後スカイマークを中心に国内線の路線網が徐々に整備されていった。スカイマークにとっては、すでに多くのライバルがひしめく羽田や成田ではなく、あえて未知の領域ともいえる茨城に活路を見出した格好だ。

 しかし、2025年5月時点での発着路線と便数は、羽田が50路線・約500便、成田が19路線・約120便に対し、茨城は神戸・札幌・福岡・那覇の4路線・18便のみ(空港ウェブサイトやJTB時刻表などをもとに集計)。第三空港と呼ぶには、現実との乖離が大きい。

 東京から茨城空港までは直通バスで約100分かかる。一方、羽田空港には2本の鉄道が乗り入れ、浜松町からモノレールで最速18分。2031年には新たなアクセス線も開通する予定だ。「遠い」といわれてきた成田空港でさえ、スカイライナーを使えば日暮里から最速36分で到着できる。

 交通アクセスの面でも、茨城空港は大きなハンデを抱えている。事実上、第三空港という看板はすでに下ろされた。いま問われるべきは、

「茨城空港は誰のための空港なのか」
「どこから来る利用者を想定しているのか」

という根本的な問いである。

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