茨城空港「首都圏第三空港」の夢は消えた?――常磐線アクセス改善で“マイルドな地方空港”へ変身、今後を考える
開港から15年が経ち、茨城空港のポジショニングは大きく変化した。首都圏を背負わないかたちで進む「地方空港化」は、ゆるやかな成長なのか。それとも静かな限界なのか。
石岡駅経由バスの利便性向上

当初、茨城空港は鉄軌道が直接乗り入れていなかったため、アクセスの切り札として東京からの直通バスを開設した。しかし、2025年5月現在、その運行は週5日で1日2往復のみである。
茨城県はこの路線に補助金を出し、片道500円という低運賃が話題となったが、2020年度に補助を打ち切った。輸送実績も2016年度以降は県から公表されていない。なぜ利用者が少なかったのか。その答えは明白だ。羽田や成田に比べて距離が遠いことに加え、国内線の発着路線が少なく、バスの本数も限られている。さらに鉄軌道に比べて渋滞のリスクもある。
一方で、JR石岡駅から茨城空港へ向かう路線バスの整備は着実に進んでいる。2025年5月時点で、同路線は1日16往復(土日や片道便を含む)運行されている。水戸駅からの直通バス(1日13往復)と並ぶ主要なアクセス路線である。石岡駅前ではバス乗り場や待合室も整備されており、列車到着のたびに大きな荷物を持った乗り換え客が待合室へ向かう。バスは石岡駅前を出発後、旧鹿島鉄道の廃線跡を利用したバス専用道路をしばらく進み、約35分で茨城空港に到着する。
本数や所要時間の面で非常に便利とはいい難いが、東京からの直行バスの“無理筋”感に比べると、常磐線経由のゆるやかな利便性の再設計は概ね成功しているといえるだろう。