なぜBYDは「最大34%値下げ」に踏み切るのか? EV王者を追い詰める“飽和する7万元市場”の深層、BYD株続落で考える
2日で株価10%超下落――BYDが最大34%の異例値下げに踏み切った中国EV市場。販売台数は前年比増でもシェアは急落し、過剰供給と価格競争の袋小路へ。政策支援の後退と需給ギャップが招く「家電化」の兆候を前に、問われるのは成長ではなく、持続可能な経営の体力だ。
最大34%値下げの波紋

2025年5月27日、香港株式市場で中国の電気自動車(EV)メーカー、比亜迪(BYD)の株価が続落した。前日に8.6%安を記録し、2日間で10%超の下落となった。
株価急落の背景には、BYDが前週に発表した今年3回目の値下げがある。BYDはEVおよびプラグインハイブリッド車(PHV)22車種を対象に、6月30日までの期間限定で値下げを実施。値引率は最大34%に達する。
中国のEV市場は競争が激しい。今回の値下げを受け、さらなる値引き合戦が続くとの懸念が広がり、BYDの株価は売りに押されたとみられる。
本稿では、BYDの相次ぐ値下げが意味するものを検証する。さらなる成長の序章なのか、それとも過熱する価格競争からの防衛策か。新たなEV価格戦の帰結を読み解く。