「リッター20円安」で地場ガソリンスタンド壊滅――コストコが暴いた“地域給油網”崩壊の真因とは
員制量販店の参入でリッター20円安の価格破壊が進行。全国の給油所はこの10年で2割減少した。構造的縮小の波の中、既存モデルの限界と価格以外の価値が問われている。地域インフラを再編し、生活の変化に耐えうる機能拠点へと転換できるか――その岐路にある。
利益率1%の限界構造

まず、現行の給油所の採算構造を見ておきたい。
全国石油商業組合連合会(全石連)によれば、2023年度における一般的な給油所の営業利益率は約1%にとどまる(2023年度決算ベース)。燃料そのもののマージンは薄く、実際には
・洗車
・車検
・整備
などの付帯サービスで収益を補っている。この構造は、販売単価の下落に極めて脆弱である。価格に1円でも差が出れば顧客が流出し、薄利のビジネスはたちまち破綻する。
・人口減少
・ハイブリッド車、電気自動車(EV)の普及
によって燃料需要が年々減少するなかで、全国の給油所は2013年の3万4000か所から2023年末には2万7400か所へと2割減少した。これは決して一過性の現象ではなく、構造的な縮小だ。