ホンダ「EV後退」は時間稼ぎ? 2030年「HV220万台」目標の背景──生産会計・地域戦略から読み解く“次の制空権”

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ホンダが電動化戦略を大胆に見直し、2030年のEV販売目標を従来の200万台から約140万台へと引き下げた。HVに13車種を投入し、知能化技術の段階的導入で事業基盤の再構築を図る背景には、市場冷え込みと通商政策の不確実性がある。柔軟な製品ポートフォリオと地域別戦略を武器に、次世代移動体験の主導権奪回を狙うホンダの戦略転換を読み解く。

SDV構想のリアリティ

Honda 0 SUV(画像:本田技研工業)
Honda 0 SUV(画像:本田技研工業)

 ホンダは、EV事業の柱として「Honda 0(ゼロ)シリーズ」を展開する。第1弾は2026年に市場投入される予定で、本格的なEV市場参入の起点となる。2025年1月に開催された「CES 2025」で、世界初公開された「Honda 0 SALOON」と「Honda 0 SUV」の2車種が対象となる見込みだ。

 両モデルには、独自のビークルOS「ASIMO OS」を搭載する。これは、ヒューマノイドロボット「ASIMO」で培ったロボティクス技術をベースに進化させたものだ。先進的な知能化技術と融合することで、個々のユーザーに最適化されたソフトウェア定義型自動車(SDV)を実現する。

 ホンダは、EVのハードウェア性能を限界まで引き上げることを目指す。その一方で、ソフトウェア開発についてはルネサスエレクトロニクスと共同で進め、投資の分散を図る。両社が描く新たな将来像は、EVの本格普及期に備えた中長期的な事業基盤の構築にある。

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