コンコルドはなぜ消えたのか? マッハ2の夢の終焉! 燃費3倍と「ソニックブーム」の壁とは
大西洋を3時間半で横断した“空のロールスロイス”──最速マッハ2.04の超音速旅客機コンコルド。2003年の退役から20年、約300万人が搭乗した幻の名機は、なぜ現代に継承されないのか。映画『エアポート’80』に描かれた夢と、現実の経済的限界を読み解く。
パニック映画とコンコルド

1979(昭和54)年12月15日、『エアポート’80』という映画が日本で公開された。原題は『The Concorde… Airport ’79』。公開時期の違いにより、邦題と原題の間に1年のずれがある。
この作品は、航空パニック映画『エアポート』シリーズの第4作にあたる。主演はアラン・ドロンだったが、実質的な主役は超音速旅客機「コンコルド」だった。
物語は、架空の航空会社「フェデレーション・ワールド航空」に所属するコンコルドが、ワシントンからパリ、さらにモスクワへと飛行するという内容だ。その途中で、武器密売企業による妨害や攻撃を受ける。ミサイルを回避しながら超音速で飛ぶなど、展開は荒唐無稽である。
一方で、コンコルドの機体は美しく描かれ、豪華な内装や上質な機内サービスも忠実に再現されていた。
『エアポート’80』は北米では振るわなかったが、国際市場では一定の注目を集めた。現実に存在した超音速旅客機への憧れを呼び起こす作品だった。撮影にはエールフランスの実機が使われている。
コンコルドは1976年から、エールフランスとブリティッシュ・エアウェイズによって定期運航された。大西洋を約3時間半で横断したが、2003(平成15)年に退役した。今では、世界のどこにもコンコルドの姿はない。
2025年時点で、民間旅客機の中で最速クラスにあたるのは、ボーイング747-8型機の巡航速度(マッハ0.855)である。かつてのコンコルドの巡航速度(マッハ2.04)には及ばない。
コンコルドの退役から20年以上が経つが、民間の超音速旅客機はいまだに登場していない。