コンコルドはなぜ消えたのか? マッハ2の夢の終焉! 燃費3倍と「ソニックブーム」の壁とは
コンコルドが直面した問題点

超音速で空を飛び続けたコンコルドだが、その運用には多くの課題があった。
最大の問題は燃費と経済性だった。コンコルドは超音速飛行を可能にしたが、その代償として燃料消費量が非常に多く、運航コストも極めて高かった。複数のデータによれば、座席マイルあたりの燃料効率は同時期のボーイング747と比べて大きく劣っていた。機種によっては、747の3倍から4倍の燃料を消費していたという報告もある。そこにオイルショックによる燃料価格の高騰が重なり、収益性は当初から長く低迷した。
ブリティッシュ・エアウェイズは1980年代後半から1990年代にかけて、富裕層に特化した高価格戦略やチャーター便によって収益化を図った。一定の成果はあったが、座席数はおよそ100席に限られていたため、たとえ運賃を高額にしても、収益性の向上には限界があった。
エンジンや設計にも限界があった。コンコルドの高速性能は軍用技術を転用して実現されたが、そのエンジンは超音速飛行に特化していたため、低速での燃費効率が悪く、騒音も大きかった。空力性能を優先した機体設計は、効率的な大量輸送には適さなかった。
環境への影響も深刻だった。超音速飛行にともなうソニックブーム(衝撃波)は地上に大きな騒音をもたらし、多くの国が陸上での超音速飛行を禁止または制限した。特に米国では1973年、パンアメリカン航空がコンコルド導入を断念した背景に、ソニックブームによる騒音問題があったとされる。さらに、離陸時に使用されるアフターバーナーの轟音も問題視され、空港周辺の住民から反発を受けた。
保守や整備の面でも負担は重かった。超音速飛行によって機体には高温・高圧のストレスがかかり、とくにエンジンや構造部材の劣化が早かった。このため、他の旅客機以上に高度で頻繁な整備が求められた。保守費用は年々増加し、やがて部品供給や技術支援の確保も難しくなった。老朽化が進むにつれ、運航の維持はさらに困難になっていった。