もはや国が「日産」を救済するしかないのか? 6700億円の赤字、取引1万9000社の命運…産業空洞化の懸念! 国の決断が日本の自動車産業を左右する

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日産自動車の2025年経営再建計画は約2万人の人員削減と工場集約を打ち出し、純損失6709億円で過去最大級の危機に直面する。日本を代表する自動車メーカーの苦境は、約1万9000社に及ぶ部品供給網や地域経済へ連鎖的な打撃をもたらし、産業構造全体の再設計を迫っている。国の支援の是非とその影響を問い直す緊急課題だ。

日産のみ政府保証の異例融資

日産車体湘南工場の位置(画像:OpenStreetMap)
日産車体湘南工場の位置(画像:OpenStreetMap)

 日産の経営不振は、かつて救済された日本航空とは同列で語れない。端的にいえば、日産は「変革力のない巨大企業」である。

 コロナ禍で資金繰りが苦しかった2020年4月から7月にかけて、日産は銀行から約9000億円を融資などで調達した。うち日本政策投資銀行(DBJ)からの融資は1800億円に及ぶ。そのうち1300億円は政府保証付きだった。政府保証は、日産の返済が滞った場合に国が8割を補填するもので、実質的に国民負担となる。

 同様に、2009(平成21)年の経営再建中だった日本航空にもDBJが約670億円の政府保証付き融資を行った。翌年、日本航空は経営破綻し、約470億円が国民負担になった経緯がある。

 また、DBJはコロナ禍対策として、2020年7月末までに大企業を中心に185件、計1兆8827億円の融資を決定した。大企業向け融資のなかで、政府保証がついたのは日産だけであった。

 日産を特別扱いする国の姿勢には疑問が残る。これらの事実は、国が「日産を潰さない」と宣言したに等しい。

 一方で、公的資金の注入は経営刷新を阻み、経営責任の所在を曖昧にし、組織の緊張感を奪う側面も持つ。国の救済で温存された日産は、真の再建から遠ざかるリスクを孕んでいる。

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