なぜ飛行機はピカピカ光るのか? 夜空の安全を守る「見えない交通法規」、色と点滅に隠された意味とは
- キーワード :
- 飛行機
自動操縦全盛の時代でも、航空機のライトは退場しない。衝突防止、鳥害対策、地上作業の安全確保まで、10種類以上の照明が多層的に支える「光のインフラ」。その構造と役割に迫る。
着陸灯が担う“空の安全網”
飛行機は昼間の明るい時間帯と夜間の暗い時間帯で異なる条件下で運航される。飛行中、パイロットは計器やセンサー、レーダーを活用し、視界不良の雲のなかでも安全に飛行できる。しかし、飛行機にはヘッドライトが搭載されており、どのような役割を果たしているのか。
飛行機の機体前方や翼に取り付けられた明るい照明は、自動車のヘッドライトに相当する。これが、航空業界で呼ばれる
・タキシーライト
・ランディングライト(着陸灯)
である。
タキシーライトは、前輪付近に設置された中強度の白色ライトで、夜間の地上移動中に周囲を照らす。これにより、駐機場や誘導路で他の機体や車両、地上スタッフの確認ができ、接触事故の予防に役立つ。また、周囲にいる地上スタッフや乗客に存在を知らせ、注意喚起を促す。
ランディングライトは機体前方や翼の付け根部分に設置され、非常に強力な白色光を放つ。離着陸時に前方を照らし、夜間や視界不良の際に滑走路の視界を確保する。これにより、路面の状態や障害物の確認がしやすくなる。また、空中で他の航空機に自機の存在を知らせる役割も担う。
滑走路は管制塔で厳密に管理されているが、さらなる安全を期すために、何重もの確認が行われる。2024年1月2日に羽田空港で発生した地上衝突事故では、日本航空(JAL)516便が着陸した際、滑走路に海上保安庁の航空機が不意に存在していた。
高出力のランディングライトは、鳥に航空機の接近を知らせ、バードストライクのリスクを減少させる効果があることが分かってきている。バードストライクはエンジンを停止させる危険があり、航空機にとって深刻な脅威である。