もったいない!? 飛行機がわざわざ空中で「燃料」をばらまく根本理由
航空機の燃料投棄は一見無駄に思えるが、安全運航のためには欠かせない措置である。燃料が投棄されるのは、緊急時や着陸前の重量調整のためで、これには厳格なガイドラインが存在する。実際、過去には燃料不足が原因で致命的な事故が発生した事例もあり、航空業界の安全を守るために重要な役割を果たしている。
航空機重量と緊急時の対応

航空機は燃料不足を避けるため、予定されるフライトに必要な燃料以上に余分な燃料を積んでいる。目的地の空港にすぐに着陸できない場合、上空で待機したり、代替空港に変更したりすることもある。逆に、早期に着陸を余儀なくされる場合もある。例えば、乗客の急病や機械的な不具合による緊急着陸だ。この場合、機体には多くの燃料が残っていることもあるが、問題となるのは機体の重量である。
航空機には
・最大離陸重量
・最大着陸重量
が設定されており、後者は軽量に設定されている。着陸時の負担が大きく、損傷や事故のリスクが高いためだ。飛行中に燃料を消費するため、着陸時には機体が軽くなる。しかし、航行状況によっては最大着陸重量を超えることがある。その場合、燃料を投棄して機体を軽くし、着陸のリスクを減らす必要がある。
緊急時には、燃料投棄が適切でないと判断され、最大着陸重量を超えて着陸することもある。機体は過積載を想定して設計されており、直ちに破損することは稀だが、着陸後には点検が義務付けられている。この手間やリスクを考慮すると、燃料投棄を行ったほうが得策であることが多い。