私立高校の敷地に「コインパーキング」が作られた! アリ?ナシ? 札幌で24時間770円、空間の再配分か、それとも聖域への侵食か
校内に24時間770円の駐車場――札幌静修高校の「空間活用」は、教育施設が都市経済のプレイヤーと化す時代の兆しだ。少子化と建築費高騰の波に翻弄される学校法人が、都市・交通政策のほころびを照らし出す。
共存空間が孕む緊張

学校のど真ん中に一般車両が24時間出入りする。この現象を、教育の観点から見たとき、何が起きているのか。
まず、安全性の問題がある。授業中に生徒がパーキングの横を通り、防犯上の不安があるる。実際、学校周辺で器物損壊事件が発生しており(『朝日新聞』2025年5月5日付け)、保護者からの問い合わせもあるという。だが本質は、物理的な距離よりも
「誰がその場を支配しているのか」
という感覚的秩序の崩壊にある。かつて教育機関の敷地は、子どもたちと教職員という関係者だけが出入りできる領域として保たれていた。そこに、駐車料金を払えば誰でも侵入できる通路が割って入った。
敷地という概念が限定的な他者の通行を許したとき、その場所はすでに教育施設ではなく、部分的に「民間インフラ」として再定義されたことになる。これは秩序の交錯である。都市空間における機能の共存という美名のもと、教育と交通が衝突している。