いすみ鉄道危機、脱線から半年! 売上3割減・負債2倍…走り続ける意味はあるのか? カリスマ前社長の功罪、赤字ローカル線の価値を問う

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いすみ鉄道の長期運休は、脱線事故と経営危機が重なり、地域の鉄道事業に深刻な影響を及ぼしている。収益悪化と補助金依存が続く中、行政と地元企業がどのように支えるべきか、鉄道の将来を左右する難題が迫る。

自己資本比率13%台の危機

いすみ鉄道(画像:写真AC)
いすみ鉄道(画像:写真AC)

 いすみ鉄道の経営課題には深刻な背景がある。

 現在、いすみ鉄道の経営状況はどうなっているのだろうか。千葉県が公表した「いすみ鉄道株式会社の経営状況等の評価に係る調査票(令和5年度決算)」を見てみよう。ここでは、2022年度と2023年度を比較する。

・売上高:1億4960万8000円 → 1億584万5000円(▲29.25%)
・売上総利益:1億2174万5000円 → 8881万9000円(▲27.05%)
・営業利益:▲1億8705万2000円 → ▲3億6040万2000円(▲92.67%)

・販売費および一般管理費:3億879万7000円 → 4億4922万1000円(+45.5%)
・営業外費用:66万7000円 → 207万3000円(+210.79%)
・純資産合計:5836万7000円 → 3470万7000円(▲40.54%)
・有利子負債:6816万円 → 1億3,550万7000円(98.81%)
・自己資本比率:36.01% → 13.44%

事故や災害による運休で鉄道収入や売店収入が大幅に落ち込んだのは、ある意味仕方のないことだ。しかし、それに対応する形で支出が減少したわけではなく、むしろ支出は増加している。例えば、2023年度(令和5年度)の決算では、売上が約3割減少した一方で、「販売費および一般管理費」は災害復旧工事費が原因で、前年度比約1.5倍に膨れ上がった。千葉県の評価シートには、

「経営健全化方針に沿った取組に努めているが、経常損益は赤字基調であり、依然として財務状況は大変厳しいものと言わざるを得ない。関与方針に基づく取組が進捗していないため、団体と県で連携して一層の経営改善を進め、引き続き、団体の設立目的や県が関与している意義に沿った事業展開を図っていただきたい」

とコメントがついている。千葉県が求めているのは、経営見直しとコスト削減だろう。しかし、この状況で「経営努力」を求めるのは、現実的に見て非常に厳しいといわざるを得ない。

 財務状況は一段と悪化している。有利子負債はわずか1年で約2倍に膨れ上がった。自己資本比率は36.01%から13.44%へと急落した。企業の体力を示す内部留保も、すでに枯渇寸前の水準にある。

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