浦和よ、なぜ抜かれた? 大宮が「埼玉の東京」になった根本理由! SUUMOランキング2位の衝撃、行政・商業格差を徹底解剖する

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SUUMOの「住みたい街ランキング2025」で大宮が2年連続の2位に。歴史的に行政の中心を担ってきた浦和との差は年々広がりつつある。かつては「浦和優位」とされたさいたま市内の構造にいま、何が起きているのか。市民意識調査と経済指標から、大宮の急伸と浦和の堅実さという対照的な都市像を読み解く。

大宮の経済圏形成と都市戦略

浦和(画像:写真AC)
浦和(画像:写真AC)

 統計書をもとにさらに分析してみよう。さいたま市の公式統計書(令和6年版)の商業項目を見ると、さいたま市の経済が大宮を中心に動いていることがよくわかる。

●小売業の事業所数
・大宮区:1031事業所
・浦和区:770事業所

●小売業の従業者数
・大宮区:8164人
・浦和区:8074人

●小売業の年間商品販売額
・大宮区:約2451億円
・浦和区:約1669億円

●小売業の売場面積
・大宮区:約24万平方メートル
・浦和区:約13.8万平方メートル

このように、大宮は商業規模で浦和を圧倒している。結果的に、さいたま市成立後に問題となった浦和優位は一時的なものにすぎなかったと考えられる。

 また、前述の市庁舎移転決定に合わせて、大宮駅周辺では本格的な再開発が進んでいる。東口では2022年に「大宮門街」が開業し、新しい街の顔となった。その隣では、高さ100メートルの複合施設(オフィス・銀行・商業・緑地空間などを含む)の再開発が進行中だ。

西口でも、「大宮サクラスクエア」など複数の再開発が並行して進んでいる。

注目すべきは、これらの再開発が単なる都市整備にとどまらず、「未来の大宮」構想と一体化した都市戦略として進められている点だ。

この構想では、大宮駅を中心に半径約3kmを3つのゾーン(①駅前400m、②400~700m、③700m~3km)に分けて段階的に整備し、「潤いの緑と大都心の両立」を掲げる「田園都心・大宮」の実現を目指している。

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