浦和よ、なぜ抜かれた? 大宮が「埼玉の東京」になった根本理由! SUUMOランキング2位の衝撃、行政・商業格差を徹底解剖する

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SUUMOの「住みたい街ランキング2025」で大宮が2年連続の2位に。歴史的に行政の中心を担ってきた浦和との差は年々広がりつつある。かつては「浦和優位」とされたさいたま市内の構造にいま、何が起きているのか。市民意識調査と経済指標から、大宮の急伸と浦和の堅実さという対照的な都市像を読み解く。

利便性と将来性、街の評価が上昇中

浦和(画像:写真AC)
浦和(画像:写真AC)

 SUUMOの調査結果を精査すると、大宮は20~30代の女性からの支持が大きく伸びている。とくに

・シングル女性世帯
・共働きの夫婦 + 子ども世帯

からの得票が増えており、若年かつ生活志向の強い層に人気が集まっている。ランキングで大宮が上位に入った理由として、以下のような街の魅力が挙げられる。

・魅力的な大規模商業施設がある(偏差値61.4、35位)
・駅周辺に生活に必要な施設が揃っており便利(61.3、30位)
・文化・娯楽施設が充実している(映画館、美術館、博物館など)(61.3、31位)
・街に賑わいがある(61.1、40位)
・夜間救急など医療施設がある(60.6、31位)
・今後、街が発展しそう(60.6、38位)

いずれも、利便性やにぎわい、将来性といった、初見でも直感的に評価しやすい項目ばかりだ。調査では、ここ1年間の動きとして次のような変化も取り上げている。

・「エキュート大宮」では雑貨や洋菓子の新店が相次いでオープンし、若年女性をターゲットとしたテナント構成が強化
・「氷川参道」沿いには、夫婦が営むイタリアンカフェなど“街の個性”を印象づける新店が誕生
・「さいたま市宇宙劇場」や「埼玉県立歴史と民俗の博物館」「鉄道博物館」など、“遊びながら学べる”家族向け施設が充実

交通拠点でもある大宮周辺では、商業集積が加速している。ルミネ、マルイ、そごう、高島屋などの大型商業施設が集中し、その規模と密度は群を抜いている。日常の買い物から育児、週末のレジャーまで、すべてがワンストップで完結する都市空間が整っている。

 さらに、商業エリアが駅周辺に広がっているため、実用的な買い物がしやすいだけでなく、明るく歩きやすい街並みが保たれている。このような利便性と安心感のバランスのよさが、シングル女性世帯や共働きの夫婦、子ども世帯から高く評価される理由となっている。

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