まさかの「紙の整理券」復活? 広島電鉄「PASPY終了」でバス決済混乱! 地域カード終焉が招く不便とは
ICカード改修、地方財政に重圧
広島電鉄が講じる対策として、Mobiry Daysの車内チャージ機能の導入は2025年8月に予定されている。また、全国交通系ICカード対応のため、専用端末の改修も進めており、これによりICカードの読み取りが可能になる方向だ。
しかし、この改修が全車両で完了するには、現時点で不透明な要素が多く残る。端末の改修が低コストで行えるのか、さらには既存の利用者層にどれほどの影響を与えるかについては、慎重な分析が必要だ。
広島電鉄のこの対応策は一見、利便性の向上を目指すように思えるが、実際には将来的な負担や混乱を考慮に入れた長期的なビジョンが必要だ。例えば、システム改修を行う際に想定外のコストが発生した場合、それをどのように賄うのかが大きな問題となる。
現在、全国交通系ICカードの導入に伴う設備投資は、地方自治体にとって一大プロジェクトであり、その予算配分の見直しが求められる。補助金の振り分けに関しては、自治体の財政的な限界を考慮した場合、特に都市間競争を加速させる可能性がある。
このような状況において、広島電鉄のような地方交通事業者は、単に目の前の問題に対応するだけではなく、広域的な視点で見た場合のメリット・デメリットを十分に考慮した意思決定が求められる。全国的にみても、キャッシュレス決済の普及は今後ますます進展することが予測されており、地方交通事業者の競争力が問われる局面に突入している。
例えば、広島電鉄が新たに導入する決済方法が他地域に比べて優れたものであれば、それ自体が地域振興につながる可能性もある。しかし、それには迅速かつ効率的に実装できるシステムが不可欠だ。
特に、現行の設備に対する改修費用や新たなシステム導入にかかるコストが、地域の経済環境に及ぼす影響を無視することはできない。広島市のような地方自治体がこのような問題に直面した場合、行政は税収や補助金の配分をどのように調整するのか、その選択が今後の交通サービスの持続可能性に大きな影響を及ぼすことになる。