まさかの「紙の整理券」復活? 広島電鉄「PASPY終了」でバス決済混乱! 地域カード終焉が招く不便とは
広島電鉄の新たなキャッシュレス決済「Mobiry Days」は、全国交通系ICカードを超える機能を誇るが、導入過程で多くの課題が浮き彫りになっている。車内チャージ機能や広島バスとの決済手段の違いが混乱を招き、地方行政の財政配分にも影響を与える問題が顕在化している。
シームレス化の課題

広島電鉄の電車と路線バスでは、機器の交換とともに乗車方式が大きく変わった。これに利用者が戸惑う事例が相次いだ。新しい乗車方法は
「紙の整理券」
を使う仕組みである。広島電鉄の路線バス(広電バス)では、乗車時に整理券を取る必要がある。ICカードをかざす場面はなく、降車時に整理券を料金箱に入れる。その後、ドライバーが機器に運賃を手入力し、利用者が全国交通系ICカードで決済する。
実質的には、従来の現金支払いをICカードに置き換えただけの構造だ。キャッシュレス決済の特徴であるシームレスな通過は実現されていない。
同じ広島電鉄でも、電車での混乱は少ない。運賃が大人240円、子ども120円の一律料金だからだ。一方、バスは区間制であり、乗車・降車の両方でICカードをタッチしなければ正確な運賃が算出できない。
また、広島市内では広島バスも路線を担うが、こちらは乗降時の2回タッチで決済が完了する仕組みを導入済みである。この仕様の違いも、利用者にとって混乱の一因となっている。