古都の悲鳴!? 哲学の道「砂利orアスファルト」論争再燃! 美観か利便性か、観光客と住民の願いは交わるのか
京都市左京区の散策路「哲学の道」をめぐり、舗装方法をどうするかで議論が続いている。アスファルトにするか、従来の砂利道を維持するかが主な争点だ。市は市民や有識者による検討会議を設け、期限を定めずに議論を重ねる方針を示している。
住民の間でも賛否両論

検討会議は議長の川﨑雅史京都大大学院地球環境学堂教授ら10人の委員で構成される。これまでに全体会合だけでなく、左京区の賀茂川沿いを走る半木(なからぎ)の道など市内の遊歩道視察を進めてきた。
議論は始まったばかりだが、これまでのところ、自然保護や名所維持の観点から砂利道の保存を求める声と、砂利道だと
・自転車
・ベビーカー
・車いす
が通りにくく、土ぼこりの清掃が大変として舗装を求める意見、砂利道にベビーカーや車いす用の舗装区間を設けるなどの折衷案が出ている。
景観保全団体の哲学の道保勝会は2024年12月、哲学の道を想う市民の会、法然院森のセンターと連名で砂利道の保全を求める要望書を松井孝治市長に提出した。要望書は哲学の道周辺が市の天然記念物に指定されているゲンジボタル生息地であり、舗装が名物の桜並木に影響を与えかねないとして土の道の優位性に留意して対応を検討するよう訴えている。
これに対し、砂利道沿いの店舗などからは小石の飛散が危険で、雨のあとは水たまりができて地域の高齢者が歩きにくいなどの声が市に届いている。特に数年前から石が目立つようになった場所があるという。市は検討会議に舗装済みの区間も含め、全線のあり方を考えてもらう方針。市土木管理課は
「発端は沿線住民から舗装を求める要望があったことだが、期限を設けずに議論して結論を出してほしい。検討のたたき台となる資料は出しても、市が議論を導くつもりはない
としている。