海外の「迷惑インフルエンサー」 日本を舞台にやりたい放題! 山手線の爆音騒ぎからスクランブル交差点まで、なぜ繰り返される? 今後の向き合い方を問う

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2025年、SNSインフルエンサーによる都市空間での迷惑行為が拡大する中、公共空間の秩序が問われている。インフルエンサーマーケティング市場は2024年に240億ドルに達し、影響力は無視できない存在に。都市の経済基盤を守るためには、感情的な非難ではなく、冷静な制度設計が求められる。

100万人の影響力が都市機能を撹乱

インフルエンサーのイメージ(画像:Pexels)
インフルエンサーのイメージ(画像:Pexels)

 2025年4月中旬、JR山手線の車内に爆音が響いた。キャリーケース型のスピーカーから大音量で音楽が流れ、次の瞬間、駅のホームでバク宙が始まった。突如パフォーマンスを始めたのは、Instagramのフォロワー数が100万人に迫るドイツ人動画クリエイターのSigma Boyだった。

 その翌日、今度は渋谷スクランブル交差点で同様の行動が繰り返された。動画はSNS上で瞬く間に拡散。ファンが歩道を塞ぎ、信号無視も相次ぐ事態となった。

 一連の迷惑行為は、日本の都市交通が抱える公共空間の脆弱さを浮き彫りにした。都市の経済的な基盤を支える移動の秩序が、いかに簡単にかき乱されるかを示す象徴的な出来事である。

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