ごみ収集車が「火」を噴く! 火災5年で3倍に急増、リチウムイオン電池廃棄の現実! 都市インフラを脅かす構造的欠陥とは
ごみ収集車で相次ぐ火災事故。背景にあるのは、リチウムイオン電池の急速な普及と、追いつかない廃棄インフラだ。東京消防庁によると、火災件数は2018年の10件から2022年には34件に増加。都市機能を脅かす「火を運ぶ仕組み」の再設計が、今求められている。
川上設計で防ぐ火災リスク
ごみ収集車が火を噴く。それは作業員の命、施設の設備、都市の処理能力を直撃する。例えば、町田市では破砕機や搬送装置が焼損し、周辺自治体に処理を依頼せざるを得なかった(同紙)。数億円規模の損害は、保険ではカバーしきれない。誰がその費用を負担しているのか。それは市民の税金であり、最終的には社会全体が支払っている。
経済の流れのなかでリチウムイオン電池が浸透し、それによって生じた廃棄コストが見えない場所で増大している。そのしわ寄せを、収集車が日々背負って走っているのだ。では、どうすればよいのか。ポイントは、最終工程から逆算する視点である。
収集車や処理施設で火災が起きない状態とはどんな状態か。そのためには、ごみに電池が紛れ込んでいないことが絶対条件である。ならば、そもそも紛れ込まない設計が求められる。すなわち、製品設計段階で
・容易に電池が取り出せること
・電池を回収しやすい製品設計の標準化
が不可欠となる。現場での検知や回収よりも、川上での構造改革の方が遥かに確実で、長期的にはコストも抑制される。
また、製造者責任を明確にし、一定のリサイクル費用を製品価格に組み込む制度設計も現実的な選択肢だ。すでに自動車リサイクルや家電リサイクルで導入されている考え方を、スマートデバイスにまで拡張することは十分可能だ。