運送業界は「腐ったリンゴ」を撲滅できるか?「改正貨物自動車運送事業法」審議も、ダンピング業者の根絶は難しいワケ
1990年代の規制緩和で、運送会社の数は約1.5倍に増え、6万社を超えた。政府と運送業界は、過当競争を嫌い、運送会社の淘汰を進めている。しかし、その対象は「腐ったリンゴ」だけではなさそうだ。
未来の企業も排除の可能性

運送事業の事業認可更新制を法制化し、コンプライアンス違反を繰り返す
「腐ったリンゴ」
に該当するブラック運送会社を排除して業界を健全化しようという取り組みは、必然である。だが、政府の推し進める物流革新政策では、腐ったリンゴだけでなく、営業力がない、ITリテラシーに乏しいといった、今は問題ないものの
「将来的に腐る可能性が高い運送会社」
も排除されてしまう。腐ってしまう可能性がある運送会社を排除するのではなく、腐らせないための支援や工夫を政府は行うべきだろう。
運送会社の数を適正に戻すためには、これもやむを得ないのだろうか――。