ガソリン車はまだ“延命”できる!? 救世主は「次世代バイオ燃料」なのか? 課題はコストと供給量、日本企業の挑戦を考える

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次世代バイオ燃料の普及は、カーボンニュートラル実現に向けた重要な課題だ。2020年には次世代自動車の販売シェアが42%に達し、バイオ燃料の導入は温室効果ガス削減の鍵となる。しかし、高コストや供給不足、技術開発の進展が普及を阻む要因だ。2030年までにバイオ燃料10%混合ガソリンの供給を目指し、日本の未来を形作る新たな挑戦が始まっている。

次世代バイオ燃料普及への道のり

「サステオ」を給油した「MAZDA SPIRITRACING Bio concept DEMIO」(画像:ユーグレナ)
「サステオ」を給油した「MAZDA SPIRITRACING Bio concept DEMIO」(画像:ユーグレナ)

 近年、地球温暖化対策は重要な課題となっており、世界中で脱炭素化の取り組みが加速している。日本政府も、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を宣言し、その実現に向けた具体的な施策を進めている。そのひとつが「次世代自動車」の普及だ。環境省の発表によると、2020年時点で次世代自動車の保有シェアは19%、販売シェアは42%であり、2050年には保有シェア54%、販売シェア57%を目指している。特に注目されているのは、既存の内燃機関車両でも使用可能な次世代バイオ燃料だ。これは短中期的な温室効果ガス削減策として期待されている。

 バイオ燃料は、ガソリン車やディーゼル車でも使用できる次世代燃料であり、政府は2030年度までにバイオマス燃料を10%混ぜたガソリン(E10)の供給を目指している。また、2025年5月を目標に、導入に向けたアクションプランをまとめる予定だ。

 しかし、その普及には多くの課題がある。そこで本稿では、日本における次世代バイオ燃料の普及が難しい理由を、具体的なデータや事例を交えながら解説し、今後の展望について考察していく。

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