武蔵小杉の「町内会」解散の衝撃! もはや時代遅れの産物? タワマン住民は無関心? 令和の都市型コミュニティー、今後どうなるのか

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川崎市中原区・武蔵小杉駅周辺で進行する都市化により、町内会が抱える課題が浮き彫りに。住民の流動化や高齢化に伴う担い手不足が深刻化する中、防災や地域のつながり喪失のリスクが高まる。新たな地域コミュニティーの形態が急務となっており、行政、民間企業、テクノロジーの連携がカギとなる。

自治会離脱希望「80%超」の実態

自治会・町内会に関する意識調査(画像:AlbaLink)
自治会・町内会に関する意識調査(画像:AlbaLink)

 訳あり物件の買取再販事業を展開するAlbaLink(東京都江東区)が実施した調査で、自治会・町内会に対する住民の意識と課題が明らかになった(2025年1月30日発表の調査より)。

 調査対象の自治会・町内会加入者477人のうち、80.1%が「やめたいと思ったことがある」と答えている。多くの住民が活動に負担を感じながらも、何らかの理由で加入を続けている。最大のストレス要因は

「役員になること」

が39.2%と最も高く、「自治会費の支払い」(18.9%)、「清掃活動への参加」(13.6%)、「会合への参加」(9.6%)が続く。

 役員業務は特に負担が大きい。会合への出席、イベントの運営、自治会費の集金などが求められる。共働き世帯では時間の確保が難しく、役員就任への抵抗感が強い。「数年に一度、班長の順番が回ってくるが、仕事との両立が難しい」という声もある。自治会費の負担も大きな不満点だ。

「半年ごとに5,000円の支払いは負担が重い」
「自治会費を払わない世帯と差がないのは納得できない」

といった意見が寄せられた。負担感だけでなく、支払いに見合うメリットを感じられないことも不満につながっている。活動の見直しが急務だ。住民からは「活動内容を見直してほしい」という声が多く上がっている。特に

・役員制度の改革
・会合の頻度削減
・自治会費の使途の透明化

が求められている。清掃活動に対する負担感も大きい。

「仕事で参加できないと罰金を払わなければならないのが不満」
「不参加へのペナルティが厳しく、精神的な負担も大きい」

といった意見があった。また、人間関係の煩わしさも課題のひとつだ。

「会合で意見を押し通す人がいて、議論がまとまらない」
「話したくない人とも付き合わざるを得ない」

などの声が聞かれた。一方で、防犯パトロールは最も支持を集めた活動だった(25.6%)。次いで「祭りの運営」(24.7%)、「地域の清掃」(13.6%)が続く。防犯パトロールに関しては「地域の安全のために必要」という意見が多かった。住民の安心・安全につながる活動には一定の支持が集まっている。

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