LCCの異端児! ハンガリーの「ウィズエアー」をご存じか? エアバス機で統一、大躍進! 30年に450機体制へ LCCの「原則」を貫くワケとは?
LCC戦国時代の欧州で、異彩を放つウィズエアー。エアバスA320シリーズで機材を統一、徹底したコストカットで急成長を遂げ、2024年3月期には50億ユーロ超の売上を記録。東欧を拠点に、中東、中央アジアへ路線網を拡大。LCCの「原則」を貫きつつ、47機のA321XLR導入でさらなる成長を目指す同社の戦略は、航空業界に新風を吹き込むか。
LCC業界で急成長

米国に続いて航空業界の規制が緩和され、格安航空会社(LCC)が次々と登場した欧州。多くの国で航空会社が生まれては消えていったが、国境を越えて多くの国に運航拠点を持ち、フルサービスの大手航空会社並みに成長した会社も出てきた。
そのひとつがアイルランド発祥のライアンエアー、もうひとつが英国発祥のイージージェット、そして今回紹介するウィズエアー(Wizz Air)だ。
2003年に創業したウィズエアーは、比較的短期間で東・中央欧州を中心に急成長し、西欧や中東にも勢力を拡大。欧州のLCCのなかでも好調を維持し続けている。
また、同社は近年のLCCのトレンドとは一線を画し、大手航空会社に近い戦略を取るようになったことも特徴的だ。今回は、そんな同社について紹介しよう。