小湊鉄道「京成グループ再編」から置き去り? なぜ対象にならなかった? 100周年でも赤字続き…過去には壮大な直通計画も! 独立維持か再編か
小湊鉄道、京成グループ再編から除外

先にも述べたように、小湊鉄道は今回の京成電鉄グループ再編の対象とならなかった。『京成電鉄1977年3月期有価証券報告書』によると、京成電鉄は当時子会社であった九十九里鉄道などと合わせて小湊鉄道に対して79.9%の議決権を所有していたが、1982(昭和57)年3月期には小湊鉄道は京成電鉄の連結子会社から外れている(『京成電鉄1982年3月期有価証券報告書』)。京成電鉄の2006(平成18)年3月期と2007年3月期の有価証券報告書を見比べると、京成電鉄の小湊鉄道への出資比率は
「30.0% → 19.0%」
へ低下している。『小湊鉄道2015年3月期有価証券報告書』によると、九十九里鉄道が63.8%、京成電鉄が19.1%をそれぞれ小湊鉄道に出資する。
京成電鉄が小湊鉄道をグループ再編の対象に加える場合、九十九里鉄道の同意を得る必要があると考えられる。なお、『京成電鉄1984年3月期有価証券報告書』の「関係会社有価証券明細表」に九十九里鉄道は掲載されていないものの、『京成電鉄85年の歩み』の「関係会社一覧」には九十九里鉄道も記載されている。
現時点における京成電鉄ウェブサイト「京成グループ情報」では、九十九里鉄道は記載されていない。小湊鉄道が京成電鉄グループ再編の対象とならなかった理由は、京成電鉄営業収益に占める小湊鉄道営業収益の割合が2%未満であることと、実質的に独立した経営を行っていることがあると考えられる。
現状では、京成電鉄の運輸業の業績に小湊鉄道の業績は算入されていない(京成電鉄第182期中間報告)。他の持分法適用会社とともに「持分法による投資利益」として保有株式の投資損益が一括して京成電鉄の損益計算に計上されていると考えられる。
以前は小湊鉄道と同様に持分法適用会社であった関東鉄道に目を転じると、京成電鉄の2006年3月期の有価証券報告書では関東鉄道に対する出資比率は29.9%だったのが、2019年10月8日に56.46%に増加して連結子会社となり、2024年9月1日には株式交換方式により完全子会社となった。
関東鉄道が京成電鉄グループ再編の対象となった背景として、京成電鉄以外の大株主の出資比率はいずれも5%未満であったことから京成電鉄が意思決定に影響を及ぼすことは比較的容易であったと推定されることや、2024年度の関東鉄道の営業収益として約150億円が計上され、京成電鉄への収益の寄与度は小さくないこと、京成電鉄グループとして茨城県内で数多くの事業を展開していることなどが勘案された結果であると考えられる。