JR西日本がコード決済で革命!? 手数料1.9%で「中小店舗」に爆刺さり? 1000万人会員を武器にちらつくJR西日本の野望
JR西日本の新コード決済サービス「Wesmo!」が2025年春に登場。ICOCAとは異なる新ブランドで、QR・バーコード決済の新たな選択肢を提供。加盟店への手数料業界最安水準やデータ活用戦略により、PayPayなど既存勢力に挑戦するその成長力が注目される。
約300兆円をどこまで取り込めるか

キャッシュレス決済は、今後も成長が見込まれる分野であり、政府はキャッシュレス決済比率を2025年までに4割程度にするという目標を掲げている。
キャッシュレス決済比率は年々上昇しており、2023年の実績では、39.3%(126.7兆円)だった。数字だけみると、政府目標を上回るペースで増加しているといえる。内訳をみると、
・クレジットカード:83.5%(105.7兆円)
・デビットカード:2.9%(3.7兆円)
・電子マネー:5.1%(6.4兆円)
・コード決済:8.6%(10.9兆円)
となっている。クレジットカードが圧倒的に多く、コード決済の比率は8.6%と少ない。しかしながら、コード決済の2018年の実績0.2%(0.2兆円)からすると、わずか5年で成長を遂げていることがわかる。
クレジットカードの比率が高いのは1回あたりの決済額の大きさも関係しており、コード決済事業者も上限額の引き上げなどにより、クレジットカードの利用者を取り込む戦略をとっている。例えばPayPayは、2024年11月に、50万円/回・過去24時間から100万円/回・過去24時間に引き上げている。
ちなみに、JR西日本のWesmo!は、本人確認後であれば決済限度額が50万円/回・日、100万円/月だ。コード決済も、高額利用できる時代になったといっていい。キャッシュレス決済以外の民間最終消費支出が約200兆円、クレジットカード決済分約100兆円をあわせると約300兆円となり、コード決済が需要を掘り起こす余地は存分にある。