鉄道会社は「子育て」で生き残る? いまや共働き世帯「7割」時代! 駅ナカ保育園、小児運賃50円…子育てに相応しい交通環境はビジネスになるか
人口減少が進むなか、鉄道やバス事業者は沿線の活性化を迫られている。共働き世帯の増加により、通勤や子育て支援の需要が拡大。JR東日本の駅型保育園を皮切りに、私鉄各社も子育て支援施設を展開し、新たな収益源を模索する。学童保育や自習室の導入、低廉な小児運賃の設定など、多様な施策が進むなか、鉄道は地域社会と共存しながら成長できるのか。成功事例をもとに、公共交通と子育て支援の未来を探る。
鉄道への愛着を芽生えさせる自習室

新潟のえちごトキめき鉄道は、2020年4月1日に直江津駅(上越市)のホームに自習室を開設した。通学時の鉄道待ちに利用する学生が多いと各所で報じられている。
筆者も実際に自習室を活用する学生を目にした。その光景を見て、駅の有効活用として非常に優れた取り組みだと感じた。こうした自習室での学習は、若い頃の思い出のひとつにもなり、鉄道への愛着を育む効果もある。
利用は無料だが、駅の入場料が必要となる。現在は学生向けの施設として運営されているが、テレワーク支援施設としての活用も考えられる。学生の利用には波があり、利用者が少ない時間帯や長期休暇中には、有料のテレワークスペースとして貸し出すことも可能だ。駅の新たな収益源として、自習室の開設は有効な手段のひとつといえる。