ADバン消滅の衝撃! 「日産営業マン」法人顧客流出に直面? 今後プロボックス独走? 法人営業の救世主は何か
市場を変えるEV商用車の普及

今後の商用車市場では、トヨタの一強がさらに際立つ可能性が高い。日産が軽バン市場にシフトする可能性もあるが、ADバンの代替車種が法人営業で十分に提案できない以上、従来の顧客流出リスクは避けられない。
一方、商用車市場には新たな動きがある。電気自動車(EV)の商用バンの普及が進むなかで、
「e-NV200」
などが再評価されるかもしれない。EVはランニングコストの低減や環境規制への対応という観点から法人需要が高まると予想され、今後の市場動向によっては、日産も再び存在感を発揮できる可能性がある。
さらに、商用車以外の市場でも日産ディーラーは厳しい状況に直面するだろう。かつては5ナンバーサイズのセダンが法人向けに人気を集めていたが、現在日産が提供するセダンはスカイラインのみだ。過去には
・ラティオ
・ブルーバード
・シルフィ
・ティアナ
・フーガ
・シーマ
といった多様なセダンラインが存在し、法人ユーザーにも広く支持されていた。実際、ブルーバードシルフィを13年以上使用している法人ユーザーもおり、代替案としてノートやキックスが提示されても、セダンの使い勝手のよさに魅力を感じているため、買い替えには至っていない。このような法人ユーザーのニーズに対し、トヨタのカローラが主要な選択肢となるのは明らかであり、セダンラインナップの充実が求められているだろう。
結論として、ADバンの消滅は日産営業マンにとって厳しい状況を生む一方で、新たな市場の変化を生む契機となる可能性がある。商用車市場は今後、トヨタの独走を軸に進む一方で、EVの普及によって新たな局面を迎えるだろう。
販売現場では、これらの変化を敏感に察知し、柔軟な提案力が求められる時代に突入している。営業マンひとりひとりの能力、すなわち人間力の向上こそが法人ユーザーの心を掴むカギとなるだろう。ドライなビジネスシーンにおいても、義理人情”が依然として強く残っている。日産の営業マンに
「残された道」
は、まさにここにあるのかもしれない。