スカニア、ボルボ…地方の運送会社が「海外製トラック」をわざわざ選ぶ理由!性能だけじゃないその深い意味とは?
日本の物流を支えるトラック市場で、海外製トラックが人気を集める理由は、基本性能の高さに加え、ブランド力やドライバーの憧れが大きな要因だ。スカニアやボルボなどの海外ブランドは、燃費や快適性、ドライバーのモチベーション向上に貢献し、人手不足解消の一助となっている。国内メーカーの信頼性に対抗する、海外製の「魅力」とは何か、業界の再編とともにその実態を探る。
採用強化に貢献する海外製トラック

スカニアの公式ウェブサイトには、実際にスカニアのトラックを導入している企業の声が紹介されている。
例えば、静岡県浜松市に本社を構える浜名梱包輸送は、2017年にスカニアのトラックを導入し、現在では14台を運用している。同社がスカニアを導入した理由のひとつは、
「採用面での効果」
だ。スカニアを所有していることが自社のブランド向上に貢献し、運送業界での人材確保が難しい中、海外製トラックを導入することで働き手に対する魅力が高まり、採用活動において有利な点が多いという。
さらに、スカニアのメリットはイメージ面にとどまらない。スカニアの燃費のよさやドライバーの疲労感の少なさは、コスト面での効果を生んでいる。浜名梱包輸送のドライバーは、スカニアの高い居住性を評価し、長距離運転でも疲れにくいと実感していることがわかっている。特にシートのクッション性や運転目線、ミラーの視認性の良さなどが「ストレスを感じさせない」と高評価を得ている。
一方、ボルボ・トラックについても注目すべき事例がある。岡山のヤマスイグループでは、約20台のボルボ・トラックを稼働させており、導入の目的のひとつはドライバーの
「離職率」
を下げることだった。その結果、ボルボ担当のドライバーは導入以来ひとりも辞めておらず、さらに「ボルボに乗りたい」と多くのドライバーが応募してくるようになったという。