ラーメン店が次々倒産! それでも古い「町中華」は生き残る理由――なぜ「1杯600円」で儲かるのか?
2024年、ラーメン店の法的整理による倒産が72件に達し、過去最多を記録した。一方、町中華は地域密着型の経営で変わらず繁盛している。高コストや消費者の移動傾向の変化にも影響されず、生き残る理由は「小さくても強い経済構造」にある。進化を続ける町中華が、今後も街角で暖簾を掲げ続ける秘密を探る。
昭和の町中華が生き残る理由

帝国データバンクの調査によると、2024年に法的整理で倒産したラーメン店は72件に達した。これは前年の53件から3割以上の増加で、過去最多を大きく更新する結果となった。この背景には、原材料費や人件費、電気代などのコスト高騰と、依然として根強い「ラーメン1杯 = 1000円の壁」が存在している。
その一方で、昭和から続く「町中華」は今も変わらず街角で暖簾を掲げ続けている。店内には年季の入った木製のカウンターがあり、壁には色褪せたメニュー表が掲げられている。ラーメン1杯600円、餃子350円、チャーハン700円といった価格設定だ。
新規参入のラーメン専門店が次々と淘汰されるなかで、なぜ彼らは生き残ることができるのだろうか(店主の高齢・病気引退を除く)。この疑問を、モビリティ(移動)経済の視点から探っていきたい。