地方都市が消える? 立地適正化計画の大半が失敗、それでも「策定しないと脅かされる」現実! いまだ見えぬコンパクトシティへの道

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人口の減少と東京一極集中が予想以上のペースで進んでいる。地方は人口が減る中で戦略的に縮むことを求められるが、その道は見えてこない。

2024年の出生数は初の70万人割れ

公営で再スタートした川上村のガソリンスタンド(画像:高田泰)
公営で再スタートした川上村のガソリンスタンド(画像:高田泰)

 そんななか、日本の人口は予想を上回るペースで減少し、東京一極集中が一段と加速している。厚生労働省がまとめた2024年1~10月の出生数は前年同期より5%少ない約60万4000人。2024年は統計開始以来の最少を更新し、初めて70万人割れする見通しだ。

 総務省の2024年人口移動報告では、東京都の転入超過数は約7万9000人に達し、前年を1万人以上上回った。総務省がまとめた住民基本台帳人口によると、2024年1月の総人口は外国人を除いて約1億2200万人で、15年連続で減少した。現在の47都道府県、1741市区町村が維持できないとの見方が出る勢いで地方から人が失われている。

 このまま人口減少が進めば地方はどうなるのか、国交省は住民生活に欠かせない施設が存続できる人口の目安を示している。80%以上の確率で施設が存続するには、

・歯科診療所:2500人
・銀行:9500人
・介護老人保健施設:2万2500人
・一般病院:2万7500人
・ハンバーガー店:5万2500人
・売り場面積:1万5000平方メートル以上の商業施設9万2500人

が必要だ。

 鳥取県で2023年、JA系スーパーが一斉閉店し、一部自治体の住民が鉄道で買い出しに行く異常事態となった。奈良県川上村などでは公営ガソリンスタンド、秋田県由利本荘市などでは公営スーパーが誕生している。

 こうした事態は今後、さらに広がりそうだが、財政難の自治体が打つ手は限られる。国の財政も危機的状況にある。国土の均衡ある発展を目指し、すべての自治体を救う力は残っていないだろう。

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