ベンツで「サイゼリヤ」はおかしい? 庶民派ファミレスに高級車… 身分不相応or賢い選択? あなたはどっち派?

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サイゼリヤにベンツで行く選択肢が、合理的消費として注目される一方、社会的視線には違和感も。2024年の人気外食チェーンランキングで1位を獲得したサイゼリヤが示す新たな消費行動とは?富裕層の無駄を避けた選択が、時代の価値観を反映している。

人気外食1位のサイゼリヤ

ベンツ (画像:Pexels)
ベンツ (画像:Pexels)

 CMサイト(大阪府大阪市)が運営するランキングサイト『ランキングー!』は2024年10月、「好きな外食チェーン店人気ランキング」の結果を発表した。この調査では、10~50代の男女6204人(性別不詳を含む)を対象に人気の外食チェーン店をアンケート調査した。

 1位は「サイゼリヤ」で、326票を獲得した。投票者からは、「安くて美味しい」「本格的なイタリアンがリーズナブルで楽しめる」などのコメントが寄せられた。2位には「マクドナルド」がランクインし、324票を獲得した。多くの投票者が「ハンバーガーが大好物」という理由で支持している。3位は「ケンタッキーフライドチキン」、4位は「モスバーガー」、そして5位は「餃子の王将」と続いた。

 また、マイボイスコム(東京都千代田区)は、同年11月に実施した「ファミリーレストランの利用」に関するインターネット調査の結果を発表した(回答者数9194人)。この調査によると、直近1年間にファミリーレストランを利用した人は約55%に達し、そのうち月1回以上の利用者は約25%となっている。特に、10~30代の若年層で利用率が高い傾向が見られた。利用されたファミリーレストランのトップは「ガスト」で51.1%、次いで「サイゼリヤ」が44.5%を占めた。サイゼリヤには

「家族がそれぞれ食べたいメニューがあること、値段を気にせずお腹いっぱい食べられること、家では食べられない味であること」(女性46歳)
「安くて美味しいから。一品一品の量が多くなくて良い」(女性23歳)

などのコメントが寄せられ、ファミリーレストランのなかでトップクラスの人気を誇っていることが改めてわかった。

 さて、冒頭の「高級車の象徴ともいえるメルセデス・ベンツ。サイゼリヤの駐車場にそのエンブレムを掲げた車が停まっている光景」についてだが、経済的な視点から考えると、どんな車を所有していようと、手頃な価格の飲食店を選ぶことに問題はない。むしろ、富裕層ほど無駄な支出を避け、合理的な消費行動を取る傾向があるというデータもある。

 例えば、米国の著名な投資家ウォーレン・バフェットは高額な資産を持ちながらも質素な生活を送っており、必要なところでお金を使うことを重視している。高級車を所有していても、高級レストランに行くわけではなく、むしろ「価格以上の価値を提供する」サイゼリヤのような店が、収入に関係なく多くの消費者にとって魅力的な選択肢となっている。

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