ベンツで「サイゼリヤ」はおかしい? 庶民派ファミレスに高級車… 身分不相応or賢い選択? あなたはどっち派?

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サイゼリヤにベンツで行く選択肢が、合理的消費として注目される一方、社会的視線には違和感も。2024年の人気外食チェーンランキングで1位を獲得したサイゼリヤが示す新たな消費行動とは?富裕層の無駄を避けた選択が、時代の価値観を反映している。

見栄からコスパ重視への移行

ベンツ (画像:Pexels)
ベンツ (画像:Pexels)

 消費行動は合理性だけでは説明できない。特に日本社会では、車は単なる移動手段にとどまらず、ステータスを象徴するアイテムでもある。

「高級車に乗る人 = 富裕層」

という単純な図式が成り立つとき、その人物がリーズナブルな飲食店を利用することに対し、周囲は違和感を抱くことがある。それは、

「高級車を所有しているなら、高級レストランに行くのがふさわしいのでは?」

という暗黙の価値観が影響しているからだ。

 この価値観が生まれる背景には、日本における「身の丈に合った消費」を求める文化がある。かつての高度経済成長期では、収入が上がればそれに応じた消費スタイルを持つことが当然とされていた。例えば、会社の役職が上がると、住む家も変わり、乗る車もワンランク上にすることが「ステータスの証明」と考えられていた。

 しかし、近年の日本では「見栄を張る消費」は廃れ、

「コスパ重視」

の消費行動が一般化している。特に若年層を中心に、「必要なところにお金をかけ、不要なところは抑える」というスタイルが広まりつつある。

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